深井了

深井了さんは、僕(大坪命樹)がふとしたきっかけでとやま同人誌会に出向いた際に、初めて面識を持った人です。当人は、あまり注目を浴びたくないのか、素性を明かしたがらないので、またその方が当人の示す芸術家としての特性がよりよく出ると思うので、僕も多くを語りませんが、当同人に拘わる前から、富山の代表的文学同人の「渤海」や「裸人」などに寄稿して、活躍していた同人小説家の大先輩です。

当同人に入会なさった理由として、「渤海」の廃刊が大きな事件として考えられ、おそらく同人誌文化を愛する深井さんにとっての小説を発表する場を生涯持ち続けたいという思いが、僕らの同人のメンバー寡少のために常時著者を募集している事情と、うまく摺り合わさってこのような貴重な御縁が繋がったのだと、仏様の仕儀に感謝すべくところです。

深井さんの小説は、「渤海」や「裸人」に掲載されているものを読むと、どれも詩的味わいのある小説世界が描かれており、その背後に通ったテーマも、深く考えさせられるものばかりです。当同人としても、深井さんに参加してもらうのはそういう意味で至極光栄であり、今後の同人の運命の方向付けに、重要な役割を担っている人と言えると思います。

同人小説家の後輩として、われわれも深井さんに大いに学んでいければと考えているところです。