平成26年に結成された同人「無刀会」の第一号同人誌です。
ろりみたん作の漫画「高貴で気高い薔薇のプリンセス」、トート作の「灰色の男」ほか幾つかの詩と、進藤伐斗作「冬のカポエラ」および、私の小説「飛梅」が収載されています。
第一号にしては、なかなか良い出来の作品集だというのは、同人として自画自賛ですが、それなりに楽しんでいただけるものと信じております。
私(大坪)の作品「飛梅」に関して言えば、オール読物新人賞の第一選考すら通らなかった駄作ですが、私の人生初めての歴史小説であり、少々思い入れのある作品です。
ろりみたんの漫画は、可愛らしいキャラが、一見健全な中にも残酷さを隠し持つ、一種風刺的作品でなかなか味わい深いものです。
また、進藤伐斗の作品は、カポエイラという舞踏的護身術を練習する5人の男女の、ほのぼのとした人間関係が描かれたパロディであります。味のあるラストシーンは、一読の価値ありです。
そして、トートの作品は、「灰色の男」をはじめとして、読むものの心に訴えてくる寓話的詩であり、童話の一種なのかもしれません。箴言となる言葉も多く有り、読んで戴きたいです。
このように、おのおの個性の溢れる作品の集まりであるが、創刊号として、記念すべき一冊になるだろうと思われます。みなさんも、ぜひ御一読戴きたく思います。(大坪命樹)