――ある日、それまで平凡だった俺の日常が、突然狂い出した。
何もかもが、自分のために演技をしている。
交通事故も、自殺も、テロも、台風も、地震も、すべて自分に観せるために、みんなして申し合わせてやっていることだ。
なんのためにかは分からないが、おそらくそうなったのには理由があって、俺がストーカーをしてやまない犯罪者だったからだろう。
俺の存在があったために、ストーカー防止法が制定された。
それ以来、俺を隔離することを決意した人々がいる。
俺を隔離する。そして、生きた屍にする。二度と犯罪を犯すことが出来ないように。
それを企てたのは、各国の首相か、大統領か、とにかくとんでもなく大物たちだと思う
俺はそいつらを、影の黒幕と呼び、この世界全体を、「劇団世界」と名付けることにした。
とりあえず、ザッと、あらすじみたいなものを書いてみましたが、読んでみられたら、また一味も二味も違ってきます。この男がどういう男なのかということも、読んでいくうちに分かってきます。
いわゆる、精神科ネタで書いていますが、実在するモデルさんがちゃんといて、その方にもしっかり読んでもらいました。危ういことばかり書いていますが、その方も、気を悪くせず、喜んでくださいました。
また、中学一年生のみなさんに読んでもらったところ、めっちゃ面白い! と、とても好評でした。続きを書いてくれ。長編にしてくれ。と今もうるさく言われています。ちなみに、私の他の作品もその子供たちに読んでもらいましたが、途中で投げ出されたり、最後まで読んでくれても訳分からんかった、と言われたりして、散々なものでした。
この作品は、私が長いブランクを経て、とても久し振りに書いた小説で、空華という同人誌の〆切に間に合わせるために、三日で書き上げました。
自分でも非常に気に入っている作品です。
もし良ければ、読んでみてください。(藍崎万里子)