人間は無数にと言っていいくらい存在する異性の中から、たった一人に恋をする。これは記憶の力ではないか。
また、事故や災害に出会った人々は、その大きな力を持った記憶によって苦しみ、時に病気になったりもする。
人間の認識、そして心や精神の記憶はとても大きな役割を果たしている。しかし、その記憶は、その時々でそれなりの力を持って存在している。その記憶の力に焦点を当てて、人間の意識を見たのが本書である。フロイトの精神分析にもつながる道だとも言える。(著者より)
この書は、とやま同人誌会において、長年著作を続けてきた著者深井了による哲学書です。東大文学部哲学科で研鑽された悟性が、人生と世界を深く洞察しています。人生に行き詰まったときに、ぜひ御一読戴きたい書です。(大坪命樹)