ト短調のモーツァルト四六判590ページ

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この小説は、天才音楽家モーツァルトを、17歳の天才美少女音楽家にして、大活躍させた物語です。

生まれた時から、有名ヴァイオリニストだったお父さんの言う通りにして、音楽だけの毎日を送ってきたモーツァルトでしたが、17歳の夏のウィーン旅行で、ちょっと羽目を外したくなります。

お父さんに内緒で、恋愛をいくつもこなし、本物の愛とは何なのか? 思い悩みながら、ウィーンの街を駆け巡ります。

この作品は、作者がライフワークとしている「アマプレベス」シリーズの、第四部になります。作者が二十一歳の時に仕上げました。それを、四十七歳になって、押し入れから引っ張り出してきて、軽く推敲し、小説家になろうサイトで発表しました。一六〇〇以上のユニークを得、そこでの連載が終わるとすぐに引き払い、今では無刀会ダイレクトとアマゾンとで販売いたしております。

「アマプレベス」シリーズというのは、大音楽家二人、モーツァルトとベートーヴェンを探求した物語です。第一部は、モーツァルトとベートーヴェンの大恋愛を、第二部は、ベートーヴェンが英雄交響曲を書くところを、第三部は、モーツァルトの死に様を、それぞれ描いています。

このシリーズは、極端なほどのファザーコンプレックスの物語となっており、この作品も例に漏れません。

特にこの第四部では、今問題になってる、性の多様性に一石を投じる問題作と言えます。作者自身は完全にノーマルですが、思想としては、明確な合意の上での恋愛は可、と言う立場です。このような作品を書くにあたっては、作者なりに頑張った、というよりは、相当の背伸びが必要でした。しかし、愛の自由とは何なのか、考えあぐねて、やっとひねり出した代物です。

今までのアマプレベスシリーズの中では、最も満足のいく出来になったと自負しております。時代考証はしましたが、なにぶんにも若い頃の作品であり、手落ちもあります、しかしおそらく、もうこれに手を加えることはないでしょう。(藍崎万里子)