《第四回空華文学賞》

「籠は旅立つ」井川林檎著

第四回空華文学賞は、令和4年の秋に募集を始め、年末まで募集されましたが、応募件数が少ないため期間が延長され、令和5年1月5日に締切られました。13篇の御応募が御座いました。平均枚数は、99.76枚でした。応募作品は以下の通りです。一次選考通過作品には○を、第二次選考通過作品には◎を、受賞作品には★を、それぞれ付してあります。受賞作は、左の画像リンクから詳細を御覧下さい。

サンタの教えてくれたこといっき82枚
少女四季近江マイコ91枚
わかりあえる秋谷進86枚
曲がり角の多い街片野久夫126枚
家ネコファンタジー
異世界で人になった雌猫は猫になった御主人と一緒に冒険をする
秀典128枚
どこかで少しだけ倉多俊作68枚
手紙澤木翔122枚
Blood Bag竹尾練治79枚
蟻塚北井戸あや子91枚
籠は旅立つ井川林檎126枚
欠けた記憶と、想いのピース可視原夐葉69枚
無意識からのヘッドハンティンググミガスキー81枚
欲望の果て胡蝶いちは148枚

第四回を迎えた空華文学賞ですが、今回は公募ガイドに掲載して戴けなかったことや、文藝賞の短篇部門が〆切を同じくした所為か、応募者数が激減しました。第一回よりも少ない13作と低迷したのです。

しかし、応募なさる方はリピーターの方も多く、良作が多く集まりました。どれを読んでも面白く、下読み係も選考の中でとても楽しく作品を拝読した次第であります。

今回も、下読みは大坪が引き受けました。数が減った分、文法間違いの多いものや枚数の極端に少ないものなどは見当たらず、上述のように力作揃いでした。今の時代、多くの人たちが小説を書いているため、プロだから格別、面白い小説を書く能力があるわけではないということを、あらためて強く感じる選考でした。

下読みが5段階評価したもののうち、4〜5点のものを第二次選考に残しました。選考係は、大坪命樹のほかは、藍崎万里子と白川荘子です。白川さんは、とやま同人誌会の会長を務める方で、「素粒」同人の筆頭執筆者でもあります。今回は、その三人にて選考を進めました。

前回同様、技術点10点、ファヴォ点10点で7作品を評価し、その中の上位3作を最終選考に回しました。もう一度、三作を読み込み、2/10に選考会を開いて、討論しました。その結果、井川林檎さんの受賞が決定致しました。

選考詳細と受賞作品は、空華第一七号に掲載されます。ぜひ、御覧になってください。

■受賞作の感想